歯科医院では治療を中心に消毒室、洗面など様々な場所で水を使います。
日本の水道水はきれいだと周知されているため「診療室の水はきれいなの?」という疑問をもつ患者様はいらっしゃらないかもしれません。
水道水を飲む事ができる基準として水1mlあたり100個以下の細菌数に保つ事が決められています。(水道法)
しかし歯科診療台から出てくる水は数10万〜100万個という細菌が検出されるのが現状です。(お風呂の残り湯でも検出される細菌数は数1000個と言われていますので驚きです)
なぜ、そんなにも細菌が検出されるのでしょうか?
次のような理由があります。
水道水は浄水場で塩素消毒をすることで水質を調整しています。しかし、一般家庭と違い診療室では水道管から歯科診療台まで水の配管が長く(約15m)、管を通っていく過程でどんどん塩素が消費されてしまいます。そして、最終的に削る機械やうがいする水が出る段階では、消毒効果がないほど塩素が薄まり、菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
歯を削る機械などは非常に小さい穴から水を出して使用します。
そのため目詰まりをおこさないように高精度フィルターで
カルキ抜きや塩素まで取り除いてしまいます。
そのため、ユニット内には消毒効果のない水がたまってしまいます。
そして、水の流れがない箇所や夜間・休日にはユニット内のパイプの中に細菌の巣「バイオフィルム」ができてしまうのです。
実際の水質試験の様子
すまいるデンタルクリニックでは1年に1回、一般財団法人日本食品分析センターに水質試験をしていただいています。
直近の水質試験で細菌数30以下/mlの分析試験成績書をいただきました。
この30以下/mlという数値は細菌数検出限度以下という意味になり、細菌は限りなくゼロに近いという数値になります。(最高評価)
すまいるデンタルクリニックでは次の2つの取り組みにより、水質を保っております。
ポセイドンの仕組み
水除菌装置「ポセイドン」を導入しております。仕組みは少々難しいのですが、水中に含まれる塩素イオン(Cl- )が電解により 塩素(Cl2 )に変化、Cl2 はすぐに水と反応し、次亜塩素酸(HClO)や次亜塩素酸イオン(ClO-)(=残留塩素)に変化します。
そして、残留塩素の上昇により、水道水中の細菌の繁殖が抑制されます。
簡単に説明しますと院内でもう一度配管の長さを考慮して塩素濃度を上げ消毒をします。水道の元栓にこの装置を設置するため、診療台の水だけではなく、院内関わる全ての水が常に衛生的な水に調整されています。(ポセイドンの詳細はこちらのページをご覧ください)
当院ではポセイドンとは別に治療や消毒でエピオス水という殺菌水を使用しています。
このお水は電解殺菌水と言います。製法は高純度の水と食塩のみを電気分解し次亜塩素酸(HCIO)を含んだ水に変化させます。「次亜塩素酸」と言う名前だけ聞くと危ない薬のように感じるかもしれませんが、実は血液中の白血球が侵入してきたバイ菌を撃退する「免疫」と同じ成分で飲み込んでも心配ございません。(法的にも食品添加物許可されておりますので安全です)
あらゆる細菌ウイルスを殺菌する事ができます。食塩水から生成するため薬剤を一切して使用しておりませんので、小さいお子さまから妊娠中の方、ご年配の方まで安心して使用する事ができます。
虫歯治療や歯周病治療などに広く使用することができる優れた設備です。
すまいるデンタルクリニックの衛生管理の取り組みはこちらのページをご覧ください。
海外では病院を開院する際、水質調査をして検査をクリアしなければ営業できません。日本ではその施設基準がないため水はきれいであると仮定し営業されています。歯科業界で水の汚染は暗黙の了解になっています。改善されない理由は設備として大掛かりなものになるからです。しかしながら聞こえの良い最新治療だけには多額に投資されている医院が多いのが個人的な印象です。
最新治療は基本あってのものだと思います。当院の設備環境は基本から最新まで徹底導入いたします。
水質対策をしていないと、器具の使い回し対策、滅菌による衛生管理がどれだけされていても、お口の中で水が出た瞬間、すべてが汚染されてしまうという本末転倒の結果が生まれてしまいます。
現在、全国に歯科医院が約6万8000軒あり、そのうちポセイドンのようなきれいな水の診療設備を完備している医院は現在のところ3%程度と言われています。
当院に患者様が期待をされている事は「妥協をせず徹底した診療をする事だ」とお声をいただいております。期待を裏切らないようスタッフ全員で取り組んでまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
すまいるデンタルクリニック 院長 岡 歳浩